Office 365を使って企業内のメールなどにおけるパワハラを未然に防ぐ方法
- 2020.10.28
- Office 365
- IT, Office 365, ハラスメント, パワハラ, メール, 取り組み, 対策, 防止, 防止法

本記事について
本記事は、Office 365のセキュリティコンプライアンスを利用し、企業内のメールやTeamsにおけるパワハラ・セクハラなどを未然に防ぐ手法を記載したものです。
※必ずしも防ぐことはできないので、その点はご了承ください。
概要
コミュニケーションコンプライアンスは、Microsoft 365 のインサイダーリスクを特定するソリューションであり、組織内の不適切なメッセージを検出、キャプチャ、処理を行い、コミュニケーションにおける被害の拡大を最小限に抑えます。
事前に定義を行ったカスタムポリシーを利用することで、内部および外部の通信をスキャンし、ポリシーの一致を検出。指定されたレビュー担当者が検査できるようにします。
そしてレビュー担当者が、Exchange Online、Teams、Yammer、サード パーティのコミュニケーションツールを調査し、組織のメッセージポリシーに準拠しているかどうかが確認できます。
コミュニケーションコンプライアンスを利用することで、以下の課題を解決することができます。
- Teamsの増加するコミュニケーションチャネルのスキャン
- 不適切なメッセージの抽出
- データの持ち出し等
また、2020年6月にパワハラ防止法が大企業に施行されました。中小企業にとっても、2022年4月には施行されるため、無視ができません。
コロナ禍では、リモートワークが推進され、コミュニケーションもチャットベースやメールベースで行われることが多くなりました。
顔が見えないことから、パワハラやセクハラが行われやすくなったと思います。
このような現象を防ぐために、コミュニケーションコンプライアンスを利用することができます。
Office 365を利用するためには、こちらを参考にしてください。
必要なライセンス
テナントは次のいずれかのOffice 365のサブスクリプションを保有している必要があります。
- Microsoft 365 E5 サブスクリプション (有料または試用版)
- Microsoft 365 E3 サブスクリプション + Microsoft 365 E5 コンプライアンスアドオン
- Microsoft 365 E3 サブスクリプション + Microsoft 365 E5 Insider リスク管理アドオン
- Microsoft 365 A5 サブスクリプション (有料または試用版)
- Microsoft 365 A3 サブスクリプション + Microsoft 365 A5 コンプライアンスアドオン
- Microsoft 365 A3 サブスクリプション + Microsoft 365 A5 Insider リスク管理アドオン
- Microsoft 365 G5 サブスクリプション (有料または試用版)
- Microsoft 365 G5 サブスクリプション + Microsoft 365 G5 コンプライアンスアドオン
- Microsoft 365 G5 サブスクリプション + Microsoft 365 G5 Insider リスク管理アドオン
- Office 365 Enterprise E5 サブスクリプション (有料または試用版)
手順
監査ログ検索を有効にする
①「セキュリティ & コンプライアンスセンター」に、ログインします。
②「検索」ー「監査ログの検索」をクリックします。

③「監査ログの検索」にて、「監査を有効にする」をクリックします。
※クリック後も、テナントに反映するのに最大24時間かかる場合があります。

ユーザーに対してのアクセス許可
①「Office セキュリティ/コンプライアンス」にて、「アクセス許可」をクリックします。

②「Communication Compliance」をクリックし、「役割グループの編集」をクリックします。
※監視をするためのポリシーを作成し、ユーザーのメッセージを監視するユーザーは、以下の権限が必要です。
1. Communication Compliance Analysis
2. Communication Compliance Viewer
3. Data Classification Feedback Provider
4. Communication Compliance Admin
5. Communication Compliance Case Management
6. Case Management
7. Communication Compliance Investigation
※ 上記 7 つの役割は、役割グループ 「Communication Compliance」内に含まれてます。

③「メンバーの選択」をクリックします。

④「追加」をクリックし、「メンバー」を選択し、「完了」をクリックします。

⑤「選択したメンバー」が正しく反映していることを確認し、「保存」をクリックします。

コミュニケーションコンプライアンスの設定
①「https://compliance.microsoft.com/」にアクセスします。

②「すべてを表示」にて「コミュニケーションコンプライアンス」をクリックし、「ポリシーの作成」ー「カスタムポリシー」をクリックします。
組み込みの「不快な言葉」は、誤検知の数が多いため、廃止予定だそうです。Microsoft社は使用非推奨だそうです。現在使用している場合は、移行する必要があります。

③「名前」を「Communication Complianc Test Policy」とし、「次へ」をクリックします。

④「監査対象のユーザーとグループ」にて「すべてのユーザー」をクリックし、「レビュー担当者」はコンプライアンス違反を確認する管理者に指定し、「次へ」をクリックします。

⑤「通信を監視する場所を選ぶ」にて、「全サービス」を選択し、「次へ」をクリックします。

⑥「条件とレビューの割合を選ぶ」では、「メッセージに次のいずれかの単語が含まれている」にて「insider,インサイダー」を入力します。また、「レビューの割合」は「100%」にし、「次へ」をクリックします。
本設定が完全にテナント内に反映されるまで、最大24時間かかることがあります。
※「メッセージに次のいずれかの単語が含まれている」では、ワードの区切りを「,」で行います。

⑦ここからはOutlookで行います。
本ブログでは、Web版のOutlook on the Web(https://outlook.office365.com/mail)にアクセスして検証します。
タイトルと本文に、⑤で決定した「insider」と「インサイダー」を入力し、送信します。

⑧「コミュニケーションコンプライアンス」にて、「Communication Compliance Test Policy」をクリックします。

⑨「保留中」をクリックします。

⑩メールをクリックし、「解決」をクリックします。

更新履歴
2020年10月28日 初版作成
参考URL
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